バイオマスターSWでオフショアのジギング・キャスティングができるか考察してみた


2022.05.07 バイオマスターがカタログ落ちして大分経過しましたので記事を若干見直しました。


シマノのソルトウォーター対応の中堅リール

その名は… バイオマスターSW

さて、そのバイオマスターSWですが

オフショアのジギング・キャスティングができるか ネット上でも度々議論になっているようですね。

 

「問題ない!」

とか

「じょーだんじゃない、そんなものを船に持ち込むな!」

とか入り乱れています。

なんでこんなことになっているのか

巨大QAサイトや掲示板の情報を適当に纏めると

  • オフショアのジギング・キャスティングが可能な糸巻き量がある番手がある
  • ギアが上位機種と同じ素材らしい
  • ドラグ強度が微妙
  • でも安い
  • 安いってことはそれなりの耐久性なのでは

ってあたりだと思います。

極論を言えば手釣りでも魚は釣れる訳でありまして

どんな魚をどんな釣り方で狙うかを決めないと

その道具が使えるかは判断できないと思います。

という訳で実際にバイオマスターSWをオフショアで使った経験から

見解を述べたいと思います。

あ、あくまで個人的な見解ですよ。

「せっかく当てにして買ったのにぶっ壊れたじゃないか!(怒」

なんてこと言われましても…

ま、悩んでいる方のご参考にでもなれば。

○バイオマスターSWのスペック

それではバイオマスターSWのスペックをおさらいしてみましょう。

8000PG

ドラグ最大13.0kg/実用9.0kg

PE糸巻量 3-410、4-300、5-250

最大巻上長89cm

 

8000HG

ドラグ最大13.0kg/実用9.0kg

PE糸巻量 3-410、4-300、5-250

最大巻上長106cm

 

10000HG

ドラグ最大13.0kg/実用9.0kg

PE糸巻量 4-400、5-300、6-250 最大巻上長113cm

詳細はシマノのWebサイトでどうぞ

○バイオマスターSWのお値段

バイオマスタSW

8000番、10000番はネットで25,000円くらいでしょうか。

→2022年現在、バイオマスターはカタログ落ちしています。

現在のラインアップだとストラディックSWが相当するのかな。

ダイワだとカルディアSWでしょうか

ギアが大口径化され強度が大幅にアップしたとのことです。

上位機種のセルテートSWやツインパワーSW

(スピニングのキャタリナはカタログ落ちしてしまいました…)

60,000円~くらいですね。

型落ちモデルをタイミングよく買えれば35,000~40,000円くらいかな。

 

フラッグシップモデルのソルティガやステラ

100,000円くらい~ですかね。

○実釣経験を踏まえての感想

早速ですが実釣経験から申し上げますと

10バイオSW8000PGの場合 月1回ぐらいの釣行で5kgぐらいの魚を狙うのであれば

性能的には特に問題ないと思います!

13バイオSW8000は使ったことないので実釣経験は語れないのですが

ショアジギングで酷使している13バイオSW5000XGから想像するに

13は10より頑丈そうです。

問題ない、というのは

「PE3号を使いアベレージ5kgぐらいの青物狙いのジギングに使用した場合

リールが原因で魚が取れなかった、ということはまずないだろう。

また、洗浄とか注油とかをそれなりにやって

ダメになったパーツは交換して、であれば

多少のガタつきはでたとしても20回くらいの使用には耐えられるだろう。」

という意味です。

実際、ブリ・ワラサ狙いのジギング乗合船でもたまに見かけますしね。

私の10バイオSW8000PGは主にオフショアのジギングで使用しています。

ドラグ設定は3kgぐらい。

ワラサが突っ込むと少しラインがでるくらいのドラグ設定です。

最大200gぐらいのジグを使い

15回くらいジギング釣行していますがまだギアにガタがきた感触はありません。

4~5kgのワラサなら全く問題なく取り込めます。

ヒラマサは…掛けたことがないので分かりませんw

…が、まあ5kgなら大丈夫でしょう。

○懸念点

気になる点としては、重い潮で重いジグをしゃくるとき

ローターがわずかですが歪む感じがします。

キャタリナでは感じません。

大きな魚が掛かれば当然リールに負荷がかかり多少なりとも歪むでしょう。

金属パーツの歪みと比べ ボディの樹脂部分やローターがどの程度歪むのか

それが巻き上げにどの程度影響するのか。

まだ巻き上げができないほどリールが歪んでしまう魚を

掛けたことがないのですが 自分としてはボディと合わせて

ローターの剛性(ここでは硬度と粘りということにします)が重要な気がします。

単にローターだけ硬ければ、という訳ではなくて

リール全体のバランスが大事な気がします。

○ドラグ、糸巻量から想像する限界点

ドラグ最大13kg/実用9kgを考えると

PE3号(Max50lb)を使いドラグ設定5kgくらいの釣りに使用するのが

現実的な上限目安ではないでしょうか。

ブリ10kgを狙う設定ですね。

ヒラマサ10kgはどうだろう…

うーん、ギリギリいけるのかな。。。

因みにバイオSW8000の表記上糸巻き量はPE4号300mですが

自分で巻くと3号300mで調度よいくらいの糸巻き量です。

ショップに頼んでギッチギチに巻いてもらっても

PE4号300mは厳しいんじゃないかなあ…

13バイオSW10000HGなら表記上糸巻き量はPE4号400mなので

PE4号300mは十分巻けますが

ドラグは8000と変わらず最大13kg/実用9kgです。

相模湾のヒラマサキャスティング、マグロキャスティングだと

PEは4~6号でしょうか。

バイオSWではPE4号(Max60lb)のスペックを使い切ることは難しそうですね。

○マジなヒラマサ、マグロはどうなの?

浅根でガチのフルドラグ勝負のヒラマサや

マグロ(20kgオーバー)狙いの乗合船では

止めておいた方が無難だと思います。

5kgのドラグ設定でマグロに100m走られたら

ドラグ機構は異常をきたしそうな気がします。

実用上限以上のドラグが必要なシチュエーションでは

ローターが歪んだりスムーズに糸がでないといったことが考えられます。

ま、ドラグ9kg以上が必要な場面はもちろん限られますが。

日本メーカ製の完動品が

スペック内でいきなり壊れることはないと思いますが

アングラーの勝算がある釣りが成立するか、は別の問題かと。

仲間内の仕立て船なら

途中でリールが壊れても笑い話で済むかも知れませんが

乗合船では「バイオで掛けて壊して時間を潰すんじゃねーよ」と

冷たい視線を浴びること間違いなしです。

○結論

バイオマスターSWはブリ狙いのジギング・キャスティングなら十分使える。

乗合船のヒラマサ、マグロは止めておこう。

(メインタックルが壊れた場合の予備タックルとしてならアリかも)